tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

装平穏? 嵐の中の米中会談

2017年04月09日 12時01分04秒 | 国際政治
装平穏? 嵐の中の米中会談
 世界中が見守った米中首脳会談ですが、平穏裡に終わって、両国とも相互理解の成果を強調しているようです。
 報道の画面では、トランプ大統領は親しめる笑顔で握手を求め、習近平主席は常にソフトな微笑を絶やさずアメリカと中国の穏やかな関係を表しているように感じられました。

 しかし、現実の世界の客観情勢は、一触即発とは言わないまでも、大変に厳しいものです。そして、米中2つの超大国は、それに主要で直接な関係を持っています。

 北朝鮮は、多様な弾道ミサイルの実験を繰り返し、原爆実験も近々行う様相と伝えられ、一方、シリアでは、政府軍の化学兵器の使用が言われ、米中会談の最中にも、アメリカがシリア政府軍の空軍基地をミサイルで攻撃するといったのが現実です。

 その中で、米中両首脳が、極めて平穏に、相互理解を標榜し、会談を終えたことは、両大国の関係そして両「大人」の関係が、物事の平和的解決につながるのではないかという望みをつないだように感じさせたのではないでしょうか。

 誰しもがこう望んでいるところですが、再び現実に帰れば、アメリカについては、アメリカ・ファーストを掲げ、従来の市場開放路線とは一線を画しながら、中国に対しては市場開放を要求するといった矛盾と違和感を感じさせる態度が見えています。

 一方中国の方は、北朝鮮の核開発問題のが深刻さ、その阻止に向かっての協力で合意しながら、その内容は報道されていません。
 中国が金正恩体制を善しとしているとは思えませんし、関係悪化があれば、核の脅威は当然問題ですが、中国にはあそれなりの事情があるのでしょう。

 こうした問題の専門家の方々の解説を聞いていますと、いろいろな事情が推測されますが、一国経済社会の安定発展の基本という問題に立ち帰ってみれば、歴史的にも、領土と資源をいかにして獲得するか、という命題に帰するように思えてなりません。

 そして、今でも多くの国、そのリーダーは、領土と資源に固執しているように思われるのです。

 一方、国の存続発展に、領土や資源は基本的な要件ではないという実証は、第二次大戦後、着々進んで来ています。
 日本は、国土が狭くなり、無資源と言われながら、世界随一の成長を遂げました。ルック・イーストと言いながら経済建設を進めたシンガポールは、人間の働きだけで、いまでは1人当たりGDPは日本を越えています。
 領土や資源に固執する国が減るだけ、世界は本当に平和になるのではないでしょうか。

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